暗号通貨の「ロングテール現象」が社会に大きな機会をもたらすには

2017年4月16日付のCoinDeskが取り上げた記事より

いざという時、お金はコラボレーションツールとなります。お金は、異なる「入れ物」または価値の記録の中で、人間のエネルギー、スキルそして時間を動かします。米ドルのような国家的な価値の記録は歴史的に、政府により管理されそして銀行により配布されてきました。これはもちろん、限られた透明性と国内外の金融政策のアジェンダとともに、政治的な検討を通して行われます。当然ながらこのモデルは、理論上誰でも価値の電子記録の発行や配布を可能にするブロックチェーンデータベース技術によりもたらされたより新しい暗号通貨ソリューションに比べ、柔軟性およびアクセス性において遙かに劣ります。

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コインはネットワークであり、クラウドセールはそれらの最初のキラーアプリである

私たちのチームは、昨年の8月にBancorプロトコルを構築するのを開始して以来、Ethereumについて非常に快調でした。時が経つにつれ、その理由はどんどクリアーになって来ました: もしかするとEthereunこそがキラーアプリを持つ最初のブロックチェーンかも知れないと。

我々は熟達したネットワークアプリケーション開発者のチームであり、幾年にもおよぶ暗号空間の中で、我々はお金はその利用者に様々なアプリケーションを提供するネットワークであると見做すようになりました。例えば、ソーシャルネットワークでいくつか例を挙げてみると、彼らのキラーアプリのシェアを見ていて、プロフィールページの投稿、ニュースフィード、メディア共有そしてディスカッショングループなどがそうでした。お金はもはや情報ではなく、価値を伝える経済的ネットワークと見ることが出来ます。グローバルに見ると、これは取引所を介して相互接続された様々な様態のお金(通貨)によって行われます。このグローバルネットワークもまた次に挙げるような一般的に分類できる数々の人気アプリケーションを持っています:

経験豊富な製品開発者が理解しているように、製品が牽引する力を得て切り替えのコストを正当化するためには、新しいソリューションが、既存の利用可能なソリューションと比較してエンドユーザーに大きな利点を提供しなければなりません。私たちは普段これを「10倍いいねルール」と聞いています。ブロックチェーンと伝統的な通貨の対決においてこれがどのように再現されるか理解するために、次の表で同じアプリケーションカテゴリーの注目すべき特徴を表し、それぞれのソリューションがお金の様々なアプリケーションにもたらすユニークな利点をリストアップしています。

あらゆる新しいテクノロジーの最初のキラーアプリを検証しても、残念ながら、我々はまだ明確なブロックチェーンの「キラーアプリ」の証人を得ることは出来ませんでした(おそらく一部の人々が全体のエコシステムがまだピラミッド構造であると信じているかのようなコインの売買を除いて)。明らかに、贈与、取引、貸付そして賭け事のアプリケーションに対するブロックチェーンベースのソリューションは、複雑性の増加や、鍵の損失リスク、保護者の脆弱性、価格の極端な変動、規制の不確実性、世界的な採用の限界などごく限られた分野においてのみアドバンテージを持つのです。これとは対照的に、ますますクリアになって来ているのは、資金調達アプリケーションのためのブロックチェーンソリューションは利用可能な法定通貨ベースのソリューションに比べ見張るべき大きな利点を持つということです。それは最近のICOにおける勢いは驚くべきものではなく、このカテゴリーこそがブロックチェーンの最初のキラーアプリであると見る理由です。Vinay Guptaは、この素晴らしい講演の中でブロックチェーンのクラウドファンディングの大きな可能性と深い意味を強く論じています。

興味深いことに、私たちは主にEthereumにおける勢いを得てブロックチェーンによる資金調達を目撃しています。その理由は明らかです。

まず第一に、資金調達は新しい通貨の発行を含みます。新会社の全ての株式は、非常に特異な条件下のもと取締役会によって発行される通貨です。一方で、Bitcoinはトークン発行のためのいくつかの競合する第3レイヤーを持っていますが、Ethereumはブロックチェーンレベルで標準化されたソリューションを提供しています。

これは複雑な規約を設定可能であるという第二の利点に繋がります。全てのマネーアプリケーションは通常、成功のため単純で直接的な合意を必要とします。1つの例外は、様々な保護や、ガバナンス機構および詳細な利益分配モデルを備えたカスタム契約を必要とする資金調達契約です。Ethereumは今のところ、このレベルのカスタマイズを容易に用立てることが出来る唯一のスマートコントラクトブロックチェーンです。

第三として、スマートコントラクトは新しいネットワークと、トークンベース、クラウドファイナンスの、相互運用可能な、分散化されたオープンソースのアプリケーションの醸成を可能とします。これはおそらく、開発者によるEthereumブロックチェーンの採用が何にも劣らない理由です。これは、Bitocoinの初期の勢いの重要な指標でもあり、またiPhoneやFacebookのような私たちが知る他の多くの成功したプラットフォームであったように、Vitalikとチームが非常に誇りに思うべきな否定出来ない成功シグナルを表しています。

ブロックチェーンによる資金調達には、参加者に移転可能なトークンを発行することを含みます。Ethereumにおいては、現在までに最も広く採用され、有用な契約標準としてERC20トークンスタンダードが浮上しています。我々はBancorで、次のような補完的な標準を提案していますー「トークンチェンジャー」は変換可能性の探索や価格の問い合わせ、スマートコントラクトを通じて行われるトークンの変換の実行のための一連のAPIを定義しています。トークンチェンジャー標準は、「自動マーケットメイカー」として機能する明確な標準を確立するようなブロックチェーンによる資金調達の将来的な成長と、Ethereumのエコシステム全体に広がるユーザーのためのトークン変換を効率的にするために必要なものです。これにより、既存のERC20トークンの互換性、有用性、実行可能性への全く新しい地平線が開かれるのです。

ここで “Token-Changer” EIP228 提案を読むことが出来ます: https://github.com/ethereum/EIPs/issues/228

我々はBancorプロトコルのためにこの基準を使うことを予定しています。それはERC20トークンに継続的な流動性と非同期な価格発見を提供し、取引量に関わらず取引所に上場する必要性もなくします。詳細およびコードレビューについては私たちのwebサイトhttps://bancor.network、または2月にパリで行われたEDCONでのプレゼンテーションでも見ることが可能です。

今後数十年のスタートアップについて、数十の資金調達ラウンド、いくつかの買収や失敗を経て、私たちは、数多あるブロックチェーン群れの中から解放されると期待される最初の本当のキラーアプリである分散型ファイナンスを通じて、イノベーションの波の一部となることに大いなる興奮を感じているところです。


Originally published at blog.bancor.network on April 3, 2017.

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